交通事故で保険会社が支払いを拒否するのはなぜ?被害者ができる対処法

交通事故

交通事故で保険会社が支払いを拒否するのはなぜ?被害者ができる対処法

神戸法律事務所 所長 弁護士 小林 優介

監修弁護士 小林 優介弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長 弁護士

交通事故の被害に遭ったにもかかわらず、加害者側の任意保険会社から治療費などの支払いを拒否されることがあります。

しかし、保険会社が支払いを拒否した場合でも、その判断が必ずしも適切であるとは限りません。状況によっては、支払いを受けるための対処法が残されているケースもあります。

この記事では、保険会社が治療費などの支払いを拒否する主な理由や、支払いを拒否された場合の対処法などについて、詳しく解説していきます。

保険会社が治療費の支払いを拒否する理由

交通事故で保険会社が治療費の支払いを拒否する理由はさまざまです。

保険会社から支払いを受けられなくなると、被害者自身が治療費を負担(立て替え)しなければなりません。そのため、まずは保険会社が治療費の支払いを拒否する理由を確認しておきましょう。

事故との因果関係が低いと判断された

事故と怪我との因果関係が低いと判断されると、治療費の支払いを拒否されることがあります。

保険会社は、請求された治療費が事故による怪我の治療に必要なものかどうかを確認します。そのため、事故から時間が経ってから受診した場合や、事故の状況と症状が合わない場合などは、「事故との因果関係が低い」と判断されやすいです。

事故後に痛みや違和感があるときは、できるだけ早く医療機関を受診し、診断を受けることが大切です。

被害者側の過失が大きい

保険会社から、「被害者側に重大な過失がある」と主張されている場合は、治療費の支払い(一括対応)に応じてもらえないことがあります。

交通事故では、被害者にも一定の過失が認められるケースがあり、過失割合(責任の割合)について争いになることも少なくありません。

しかし、保険会社が提示する過失割合が必ずしも適切とは限らないため、事故状況を裏付ける証拠を集め、適正な割合を主張することが重要です。

加害者が任意保険の運転者年齢条件を満たしていなかった

加害者が任意保険の「運転者年齢条件」を満たしていなかった場合は、補償の対象外となり、保険会社から支払いを拒否される場合があります。

任意保険は、契約者本人だけでなく家族も補償対象となる場合があります。
しかし、「21歳以上補償」や「26歳以上補償」といった運転者年齢条件が設定されている場合は、その条件を満たしていなければ補償を受けられません。

<運転者年齢条件とは>
補償対象となる運転者の年齢を限定することで、保険料を安くできる仕組みです。

加害者が示談代行に同意しない

加害者が「示談代行サービス」の利用に同意しない場合は、保険会社から治療費の支払いがなされません。

示談代行サービスは、加害者本人の依頼に基づいて行われるものであり、同意がなければ保険会社は被害者との示談交渉に対応できないためです。

その結果、保険会社による治療費の一括対応が行われず、被害者が治療費を立て替えなければならないケースもあります。この場合は、加害者本人と直接交渉するか、示談交渉の際に治療費を請求することになります。

まずは交通事故事件専属の受付スタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

交通事故被害者専門ダイヤル

0120-688-043

24時間予約受付・年中無休・通話無料

メール相談受付
交通事故の経験豊富な弁護士にお任せください

保険会社に支払いを拒否された場合の対処法

保険会社から治療費などの支払いを拒否されたとしても、すぐに請求を諦める必要はありません。

保険会社の判断が常に正しいとは限らず、事故状況や請求内容によっては支払いを受けられる可能性があります。また、利用できる制度や対処法もあるため、保険会社から支払いを拒否された場合はその理由を確認し、状況に応じた適切な対応を取ることが大切です。

加害者側の自賠責保険に被害者請求をする

保険会社に支払いを拒否された場合は、加害者側の自賠責保険に対して「被害者請求」を行うことで、保険金を受け取れる可能性があります。

〈被害者請求とは〉
被害者請求とは、被害者自身が加害者の自賠責保険会社へ直接保険金を請求する手続きです。自賠責保険には治療費や慰謝料などを請求できますが、傷害部分の補償には120万円の限度額があるため注意しましょう。

請求する際は、診断書などの必要書類の提出を求められるため、漏れなく準備する必要があります。

人身傷害保険を利用する

「人身傷害保険」の利用は、保険会社に支払いを拒否された場合の有効な対処法の一つです。

〈人身傷害保険とは〉
人身傷害保険とは、契約者やその家族などが交通事故で怪我をした場合に、過失割合にかかわらず、実際の損害額に応じた保険金を受け取ることができる保険です。
治療費のほか、休業損害や慰謝料なども補償の対象となります。

受け取れる金額は契約内容や損害額によって異なりますが、補償の範囲内であれば加入先の保険会社から保険金を受け取ることが可能です。

労災保険や健康保険を利用する

交通事故による怪我であっても、一定の条件を満たせば労災保険や健康保険を利用できる場合があります。

労災保険は、業務中や通勤中の事故であることが条件で、治療費の自己負担なく療養を受けられる点が特徴です。一方、健康保険も交通事故で利用できますが、加入先の健康保険組合などへ「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。

また、健康保険を利用すると自由診療ではなく保険診療となり、治療内容に一定の制限が生じることがありますので注意しましょう。

もっとも、いずれも治療費の自己負担を軽減できるため、治療費の立て替えが難しい場合には有効な選択肢となります。

弁護士に相談する

保険会社から治療費などの支払いを拒否された場合は、交通事故問題に精通した弁護士へ相談することをおすすめします。

法律事務所によっては無料相談を実施しているところも多いため、まずは支払いを拒否された理由や今後の対応について相談してみるとよいでしょう。

また、加入している保険に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士費用を保険会社が負担してくれるため、自己負担なく弁護士に依頼できるケースも少なくありません。

保険会社との交渉に不安がある場合は、保険内容を確認したうえで、弁護士への相談をご検討ください。

保険会社が支払いを拒否した場合は弁護士にご相談ください

何らかの理由で保険会社から治療費などの支払いを拒否された場合でも、その判断が必ずしも正しいとは限りません。

弁護士に相談すれば、支払いを拒否された理由を法的な観点から検討し、適切に反論することができます。また、被害者請求や保険会社との交渉など、状況に応じた適切な対応を取ることも可能です。

適正な補償を受けるためにも、保険会社から支払いを拒否されてお困りの方は、私たち弁護士法人ALGへお気軽にご相談ください。

神戸法律事務所 所長 弁護士 小林 優介
監修:弁護士 小林 優介弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長
保有資格弁護士(兵庫県弁護士会所属・登録番号:57264)
兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。