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起訴とは?起訴までの流れや行うべきことを解説

「起訴」という言葉を知っている方は多くいるでしょう。
ですが、その多くの方が起訴=裁判にかけられると認識され、起訴がどういったものであるのか細かい部分までは知らない方が多いはずです。

例えば、起訴は1種類だけではありません。
通常の起訴をはじめ、在宅起訴、略式起訴、不起訴などの種類があります。

本記事では、刑事事件における起訴がどういったものであるのか、また起訴前と起訴後の流れや弁護士ができることについて着目し、詳しく解説していきます。

刑事事件における起訴とその種類

起訴とは、検察官が刑事事件を起こした被疑者の刑罰について、裁判で決定するよう裁判所へ求めることです。起訴するかどうかは被疑者の取り調べを警察から引き継いだ検察官が判断しますが、起訴にはいくつか種類があります。

では、次項よりみていきましょう。

通常の起訴

通常の起訴とは、正式起訴を指します。
正式起訴は「公判請求」とも呼ばれており、公判(公開の法廷=裁判所にて刑事裁判を行うこと)を求めるための請求です。

検察官が裁判所に起訴状を提出し、逮捕や勾留により被疑者の身柄が拘束されたまま刑事裁判が開かれます。そのため、保釈請求が認められない限り起訴後も引き続き被告人の身柄拘束が継続されます。

在宅起訴

在宅起訴とは、被疑者の身柄が拘束されずに刑事裁判が開かれることを指します。
つまり、被疑者は何ら変わらない日常生活を送りながら刑事裁判を受けることができます。

そのため、日常生活への支障を最低限に抑えることができ、自ら申告しない限り会社に気付かれることもありません。

略式起訴

略式起訴とは、検察官が正式な裁判ではなく、簡易裁判所での書面の手続きを経て罰金刑などの処罰を求めるものです。裁判所に対して簡易的に刑事裁判を進めるように求めることを指します。

正式起訴とは異なり、裁判が開かれることなく書面審査のみで被告人の刑罰が言い渡されます。

ただし、すべての刑事事件で略式起訴ができるわけではありません。
以下の要件を満たした場合のみに限られています。

  • 簡易裁判所の管轄に該当する軽微事件であること
  • 刑罰は100万円以下の罰金または科料が相当であること
  • 被疑者が同意していること

不起訴

不起訴とは、検察官が被疑者の取り調べを行ったうえで「起訴しない」と判断することです。

被疑者が罪を犯したという犯罪を成立させる証拠が不十分である場合や被害者との示談が成立している場合に、検察官が起訴の必要性がないと考え、不起訴と判断します。

起訴されたらどうなる?

起訴された場合、被疑者の不利益は益々拡大していきます。
では、起訴によって生じる具体的な支障についてみていきましょう。

立場が変わる

起訴されると、被疑者の呼び名は“被告人”となり、立場が変わります。

被告人とは、検察官に犯罪の嫌疑があると起訴された人を指します。
被告人となれば刑事裁判を受けることになるため、弁護人をつける必要がでてきます。

また、起訴されると、被告人について保釈請求ができるようになります。
保釈とは、保釈請求をし、裁判所が決めた保釈金を支払うことにより、被告人の身柄拘束が解かれることです。裁判所が保釈請求を承認した場合は、被告人の身柄拘束が一時的に解かれます。

身柄の拘束が続く

被告人について保釈請求がされなければ、当然被告人の身柄拘束は継続します。
釈放されずに身柄拘束が続くのは、被告人の身柄を拘束しなければ逃亡や証拠隠滅のおそれがあるからです。

もっとも、保釈請求が認められれば、被告人は一時的に身柄拘束が解かれ日常生活を送ることができます。
住所制限などの保釈条件はありますが、勾留中よりも自由に行動することができます。

一方、在宅起訴の場合は保釈請求に関係なく起訴後であっても身柄拘束されることはありません。
日常生活を送りながら裁判の期日に出頭する形となります。

生活への影響が大きくなる

起訴されると、身柄拘束が数ヶ月間に及ぶ可能性があります。

起訴前の逮捕及び勾留による身柄拘束は最大で23日間ですが、起訴後の勾留期間に上限はありません。
具体的には、起訴後の勾留期間は原則2ヶ月とされていますが、その後1ヶ月毎に更新することができます。

そしてこの更新は原則、1回に限られていますが、罪証隠滅のおそれがあるなどの要件を満たしている場合は、何度でも更新することができます。

勾留期間中は身体の自由が制限されていますので、その間は仕事に行くことができなくなります。そのため、解雇される可能性が高くなります。
他にも友好関係の悪化など、社会生活に甚大な影響をもたらしかねません。

起訴までの流れ

逮捕や勾留により被疑者の身柄が拘束される「身柄事件」と被疑者の身柄が拘束されない「在宅事件」では、起訴までの流れにどのような違いがあるのでしょうか。

身柄事件と在宅事件の起訴までの流れについて、それぞれ解説していきます。

身柄事件の起訴までの流れ

被疑者が逮捕された後は、48時間以内に警察から検察官へ被疑者の身柄が送られます。
検察官は再度被疑者の取り調べを行い、24時間以内に被疑者を勾留するか否か判断します。

被疑者の勾留が必要と判断された場合、検察官は裁判官へ勾留請求を行い裁判官が勾留を認めると10日~20日間被疑者は勾留されます。そして、検察官はその勾留期間中に起訴するか否かを判断します。

なお、逮捕から判決までの流れを更に詳しく見たい方は、以下のページを併せてご覧ください。

逮捕から判決までの流れを詳しく見る

起訴・不起訴決定までの期間

起訴か不起訴か決定されるまでの期間は、最大で23日間です。
この期間は、以下の合計72時間(3日間)に、延長勾留期間(最大20日間)を併せた期間です。

  • 被疑者の逮捕後、警察官から検察官へ被疑者の身柄が送致されるまでの最大48時間(2日)
  • 被疑者の身柄が送致されてから、検察官が被疑者を勾留するか否か判断するまでの最大24時間(1日)

勾留期間は原則10日間と定められていますが、捜査の進展次第では更に10日間の勾留延長が認められています。そのため、勾留期間は最大で20日間となります。

在宅事件の起訴までの流れ

在宅事件も身柄事件同様に警察官から検察官へ事件が送られます。
しかし、身柄事件とは異なり、身柄拘束の時間制限が定められていないため、捜査期間に決まりがありません。

被疑者の身柄が拘束されないため、被疑者は日常生活を送りながら警察や検察から呼び出しがあった場合に応じて取り調べを受ける形となります。

また、起訴か不起訴かの決定にも時間制限がないため、在宅事件は捜査が長期化し、起訴か不起訴の判断が下されるまでに数ヶ月間かかることもあります。

起訴された場合の有罪率

日本の刑事事件において、起訴された場合の有罪率は99.9%とされています。
99.9%はほぼ100%に等しい数値です。なぜこのような数値なのでしょうか。

それは、検察官が安易に起訴の判断をしないからです。
検察官は、無実の人が刑事裁判にかけられ不利益を被ることを避けるために、証拠により有罪判決が得られる見込みが相当ある事件のみ起訴します。

この運用が定着していることにより、高い有罪率に繋がっていると法務省にて説明されています。

起訴後の勾留と保釈について

被告人が逮捕の段階から勾留されている身柄事件の場合は、基本的に起訴後も勾留が続きます。
在宅事件の場合は逮捕当初から勾留されないため、起訴後も勾留されることはほぼありません。

しかし、身柄事件で勾留されている場合でも、起訴前と起訴後とでは大きく違う点が1つあります。
それは、“起訴後であれば保釈請求が行える”という点です。

保釈とは、被告人の収入状況や罪の重さを踏まえて裁判官が判断した保釈金を支払うことによって、被告人の身柄拘束が一時的に解かれることです。

保釈は、ただ保釈金を納付すれば全ての事件で認められるわけではなく、被告人の犯罪や前科が軽く、逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと、身元引受人がいることや住所が明らかであることなどの要件を満たしている必要があります。

なお、保釈請求は裁判所に対して行います。

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起訴されたくない場合は?

起訴されてしまうと、非常に高い確率(99.9%)で有罪判決を受けることになります。

有罪判決を受けると前科がつきます。前科がつくと、警察・検察庁のデータベースと市町村の犯罪人名簿に氏名が記録されるため、一定の職業につけない、一部の国への渡航制限があるなどの不利益が生じます。
また、前科がついたことが職場に知られた場合には、解雇されるリスクもあります。

そのため、起訴されたくない場合は「不起訴処分を獲得すること」が非常に重要となります。
不起訴処分であれば刑事裁判にもかけられないため、前科もつきません。

このように、被疑者が送る今後の社会生活への影響に関して、起訴と不起訴とでは大きな差があります。

不起訴処分の獲得

不起訴処分を獲得するためには、以下のような行いをしてそれを主張する必要があります。
なお、被害者がいる場合といない場合とでは行えることが少し異なります。

≪被害者がいる場合≫

  • 事件の内容を認めた上で反省していること
  • 被害者と示談交渉を行い、被害弁償がなされたこと及び被害者に処罰を求める意思がないこと等の内容を含む示談書の取り交わしを行うこと

≪被害者がいない場合≫

  • 事件の内容を認めた上で反省していること
  • 更生を誓うことを記した反省文を書くことや贖罪寄付(しょくざいきふ)等を行うこと

しかし、これらの行いをしたからといって必ず不起訴処分を獲得できるわけではありません。

起訴前・起訴後に弁護士ができること

起訴前にできること

起訴前に弁護士ができる弁護活動は、被疑者に代わり被害者と示談交渉を行うことです。

被疑者は逮捕・勾留されている間、外部と一切やり取りできません。
身柄拘束されている以上、被疑者自ら動くことは許されません。

しかし、弁護士であれば被疑者に代わり動くことができます。
被害者がいる事件の場合は、被害者に連絡を取り示談交渉を行うことができます。

弁護士により被害者との示談交渉が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなります。
不起訴処分の獲得が難しい場合でも、示談成立していることで略式起訴となり軽い処分となる可能性があります。

起訴後にできること

起訴後に弁護士ができる弁護活動は、被疑者の保釈請求や刑事裁判の準備等を行うことです。
また、被害者がいる事件の場合は、引き続き被害者との示談交渉を行います。

起訴後であっても、示談が成立することにより有利な事情として刑罰の重さや執行猶予の有無が考慮される可能性があるからです。

また、裁判で提出される検察官の証拠や主張等が適切かどうか判断し、被告人の権利及び利益を擁護します。弁護士による弁護活動がどれだけ行えるかが、被告人に下る判決内容に大きく影響していきます。

起訴に関するよくある質問

在宅起訴と略式起訴の違いがよくわかりません。

在宅起訴と略式起訴の違いは、“どこに着目しているか”という点です。

在宅起訴は、被疑者の「身柄拘束」に着目し、身柄拘束をせずに刑事裁判にかけることを指します。
そのため、被疑者は日常生活を送りながら捜査機関による取り調べを受け、最終的に検察官によって起訴か不起訴かの判断が下されます。

一方の略式起訴は、起訴と裁判の「方法」に着目し、通常の裁判の方法とは異なり、すべて書面にて手続きを行うこととされます。
日本の刑事裁判で略式起訴が採用されている理由は、捜査機関や裁判所の負担を軽減することにあります。しかし、すべての刑事事件が略式起訴できるわけではなく、軽罪であること等の条件があります。

このように、在宅起訴と略式起訴はまったくの別ものではありますが、いずれも軽罪に適用されるという共通点があります。

被害者と示談出来た場合、起訴を取り消してもらうことはできますか?

被害者との示談が成立しても、起訴を取り消すことはできません。
もっとも、執行猶予が付く可能性があるなど、刑罰が軽くなる可能性はあります。

なお、起訴の取り消しができないわけではありません。
刑事事件において、検察官は被疑者を起訴するかどうか判断することができます。

これを「起訴便宜主義」といい、起訴の判断が検察官の裁量に委ねられていることを表しています。
そのため、以下のような場合に検察官が起訴取り消しを判断することがあります。

・嫌疑不十分であるとき
・被告人が死亡したとき
・被告人が重度の病を負っているとき
・被告人が所在不明のとき
など

このように、裁判を行うことが不可能と判断された場合に限り、検察官によって起訴が取り消されます。
とはいえ、被害者と示談成立していることは被告人にとって有利な事情となるため、被告人の量刑を決める際に考慮され、量刑が軽くなる可能性があります。

起訴と逮捕は何が違いますか?

起訴と逮捕は、まったく異なる刑事手続きです。

逮捕は罪を犯したと疑うに足りる者(被疑者)の逃走や証拠隠滅を防ぐために行う身柄拘束の手続きです。一方、起訴は検察官が被疑者の処罰を裁判で決定するよう裁判所に求める手続きを指します。

このように、起訴と逮捕は“目的”が異なり、行う段階も異なります。
また、逮捕は基本的に警察にて行いますが、起訴は検察官が行います。

【一般的な裁判までの流れ】
被疑者逮捕→勾留→起訴・不起訴処分の決定→起訴の場合、刑事裁判開始

起訴された後、裁判までの期間はどれ位かかるのですか?

起訴された後から第1回目の公判期日までは、約1~2ヶ月位かかることが一般的です。
もちろん、刑事事件の内容や状況次第では勾留期間が延長され裁判が開始されるまで時間を要すことがあります。

また、被告人が自白しているか否かという点も重要となります。
自白とは犯罪事実を認めているということです。
被告人が犯罪の事実を認めていれば第1回目の公判で審理が終了し、約2~3週間後に判決が言い渡されます。

しかし、被告人が犯罪の事実を認めていなければ事実関係に争いがあるとし、公判が繰り返し行われることになるため、結果的に時間を要します。

ご家族が起訴されるかもしれない場合、一刻も早く弁護士へご連絡ください

刑事事件における日本の有罪率は非常に高く、起訴された場合はほとんど100%に近い確率で有罪判決を受けることになります。

有罪判決となれば刑罰を受けることになり、前科がつきます。
どれだけ罪を償ったとしても、前科が消えることはありません。

しかし、不起訴処分となれば、前歴はつきますが前科がつくことはありません。
不起訴処分を獲得することで社会生活への支障を軽減することが期待できます。

不起訴処分を目指すためには、一刻も早く弁護士に相談して弁護活動を行う必要があります。
ご家族が起訴されるかもしれない場合、できるだけ早く弁護士にご相談ください。

この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長 弁護士 小林 優介
弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長弁護士 小林 優介
兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

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