監修弁護士 小林 優介弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長 弁護士
目次
はじめに
近年、IT技術の発展は目覚しく、わずか数年前までインターネットといえばパソコンだけのものでしたが、今ではスマートフォンの普及のほか、ビッグデータやAIやIoTという言葉まで生まれ、人々の生活のいたる所にIT技術が用いられており、IT業・情報通信業は私たちの生活になくてはならないものを提供しています。
ただし、特に、IT業は近年に生まれ、急速に発展するために、法整備が実情に追いついていないことも多いです。しかし、新しい法律が出来ていないから大丈夫というわけではなく、現状で整備されている法律との齟齬がないかなどのチェックが不可欠であり、また、契約書や、規程といった目に見えるルールを作ってトラブルを防ぐ等、労務管理への対策は積極的に行うことが大切です。
また、知的財産権に関わる製品やサービスなどを扱うために、それぞれの知的財産権を守ることはもちろん、同業他社への従業員の転職なども注意する必要が出てきます。
このように、IT業・情報通信業では、他の業界とは性質を異にする法律問題が多数存在します。
しかし、このような問題に目を背けて何も対処しない場合には、会社への社会的信用・信頼が堕ちたり、製品・サービスの安全性への疑義が生じるなどして、経営が成り立たなくなるといった取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。
当支部では、このような法的なトラブル・問題についてなるべく迅速に取り組み、IT業・情報通信業の経営を安定させ、本来担うべきサービスの提供に専念できる環境を構築し、社会の発展・進化に貢献していただきたいと考えております。
そこで、IT業・情報通信業における弁護士の役割・意義について、IT分野・情報通信分野に精通した当支部が、以下、詳しく述べていきます。
システム開発上のトラブル
IT業や情報通信業においては、システムやソフトウェアの使用が不可欠です。
ただ、システムやソフトウェアを使用している企業のほとんどは、それがどういう仕組みで動いているのか、どれだけのコストと労力を費やして開発されているかが把握されていないことが多く、ソフトウェア・システムの開発委託においては、発注者(ユーザー)と受注者(ベンダ)の認識の齟齬から問題が生じることが多いといえます。例えば、開発においてはただでさえ過密スケジュールの中、完成間近で発注者側から「ここを変えてほしい」などの追加要求があり、さらに過密スケジュールに追い込まれてしまう、納入後にも関わらず「ここが完成していない」などと修正という名の仕様変更を要求されて報酬の獲得のためにさらなる対応に追われるなどということが考えられます。しかし、他方で、システム・ソフトウェアでは、ある程度の不具合が生じることは織り込み済みとして受注者が一定程度の負担を負うべきとも考えられます。
このようなシステム開発をめぐるトラブルを避けるためには、いかなる原因によりトラブルが生じているかが重要となりますが、開発工程の段階ごとに契約を分けるのか、ある程度の工程につき、一括の請負契約を締結することにより契約するのか、しっかり契約内容を詰めてから、着手・納品していく必要があります。
このように、IT分野・情報通信分野に精通した弁護士とともに、システム開発上のトラブルを未然に防ぎ、万が一のトラブルに備えて対策をしていく必要があるといえます。
使用許諾条件の整備、ライセンスをめぐる問題、著作権法の問題
自社で開発したソフトウェアを他社に提供する場合、自社のWEBサービスやアプリの販売を手掛ける場合には、利用規約や使用許諾契約の作成が必要となります。
ソフトウェアやアプリなどにおいて、ユーザーの数が多い場合には、それだけトラブルの可能性も高いという認識が必須です。仮に、トラブルが発生した場合に被害を最小限に抑えるためには、事前に利用規約や使用許諾契約を整備しておくことが重要であることは言うまでもありません。不具合や因果関係のある事故により、ユーザーや第三者に損害が生じ、その責任を会社が負うとされた場合に、その賠償額は高額になる可能性もあるためです。
また、使用目的の制限や利用禁止行為、著作権者の許諾を要する利用方法の明記などをすることで抑止的効果を期待し、さらに安全・安心なソフトウェアやサービスの提供することもできます。
このような使用許諾条件の整備、ライセンスをめぐる問題、著作権法の問題に対処するために、IT分野・情報通信分野に精通した弁護士とともに、使用許諾条件を整備し、ライセンスや著作権法の問題に対処し、万が一のトラブルに備えて対策をしていく必要があるといえます。
従業員間のトラブル、労務問題、ハラスメント問題
IT業・情報通信業では、2で記載したようなシステム開発上のトラブルや、3で記載したようなライセンス・著作権をめぐる問題に対応するなどのために、従業員の方等が長時間労働を強いられ、残業代等が適切に支払われていない、セクハラやパワハラが職場で起こっている、などの問題が起こっているものの、これらの問題に手を付けられていないケースも多く存在します。
かかる問題を放置しておくと、問題従業員の存在、従業員の労働意欲の低下、退職などで人材が安定しない等IT業・情報通信業の会社の経営にあたって看過できない事態になることがあり、従業員が働きやすい環境を作るためにも、早期に問題を根本から解決していく必要があります。
早期に問題を根本から解決するためには、いかなる対策を取るべきか、IT分野・情報通信分野に精通していて、かつ、労働問題にも精通している弁護士に相談すべきでしょう。
労働問題にも精通した弁護士であれば、IT業界・情報通信業界の実態をきちんと把握した上で、どのような労働時間管理をすべきか、どのような規定を置いておくべきか、ハラスメントについてどのように対応していくべきか、きちんと対策を練っていくことができるためです。
IT分野・情報通信分野だけでなく、労務等にも精通した当支部の弁護士へいち早く相談を!
これまで見てきたとおり、IT分野・情報通信分野では、システム開発上のトラブル、使用許諾条件の整備、ライセンスをめぐる問題、著作権法の問題、従業員間のトラブル、労務問題等さまざまなトラブルが起こりうるのであり、IT分野・情報通信分野に精通するだけでなく、労務分野などにも多くの経験がある弁護士に相談すべきものといえます。
当支部では、IT分野・情報通信分野にも精通しており、また、労務分野にもかなり力を入れて取り組んでおり、さらに紛争案件も数多く経験しておりますので、介護分野に関するご相談については当支部の弁護士へすぐにご相談ください。
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保有資格弁護士(兵庫県弁護士会所属・登録番号:57264)
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