働き方改革について

1 はじめに

「働き方改革」という言葉を耳にされた方も多いと思います。

この「働き方改革」というのは、何となく働き方を変えていくのだろうというイメージを持てますが、どのような部分が変わっていくのか、どのような対応を取らなければならないのかなど具体的な変化についていまだ浸透しているとはいえません。

現在、日本は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や育児や介護との両立など働く方のニーズの多様化という状況に直面しており、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。

そのため、これまでの長時間労働の見直しや多様な働き方の実現を目指して、労働基準法や雇用対策法などの8つの労働法の改正を取りまとめた働き方改革関連法案が2018年に成立しました。

企業としては、これらの法改正に対処するだけでは決して満足するのではなく、働き方改革に伴う社会や人々の意識の変化等に対して創意工夫して対応していき、生産性の向上を目指す必要があります。

そこで、働き方改革によってどのような変化があるのか、企業としてはどのような点を考えていくべきかについて、労務管理に精通した当支部が、以下、詳しく述べていきます。

2 「働き方改革」による変化

「働き方改革」によって、どのような変化が起こるかを見ていきましょう。

まず、変化が起こるのは以下の点であり、労働者の労働環境を良くしようとするための整備であるといえます。

①時間外労働の罰則付き上限規制(大企業:2019年4月~、中小企業:2020年4月~)

②勤務間インターバル制度の促進(2019年4月~)

③年次有給休暇の消化義務(2019年4月~)

④フレックスタイム制の清算期間延長(2019年4月~)

⑤脱時間給として高度プロフェッショナル制度の導入(2019年4月~)

⑥同一労働同一賃金の促進(大企業:2020年4月~、中小企業2021年4月~)

⑦中小企業の割増賃金率の引き上げ(2023年4月~)

⑧産業医・産業保険機能の強化(2019年4月~)

この中でも、企業としては、まず、①時間外労働の罰則付き上限規制が大事になります。

時間外労働について、原則として、月45時間、年360時間を上限とする罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金、という決して軽くないものです。)による規制が導入されました(これまでは、上限基準告示によって、行政の指導による限度が設定されているにすぎませんでした。)

また、これまでも、36協定で特別条項を締結していれば、実質的に、労働時間の延長に関して上限がありませんでしたが、「働き方改革」により、年720時間、単月で100時間未満かつ2~6ヶ月で平均80時間を上限としました(ただし、自動車運転の業務が2024年まで上限規制が猶予されるように一部例外もあります。)。

次に、③年次有給休暇の消化義務にも気を付けるべきでしょう。

有給休暇をいつ取得するかは、労働者が決めるのが原則ですが、有給休暇の消化率が低調だったことを踏まえ、「働き方改革」のもとで、年間10日以上の有給休暇を付与されている労働者に対して、年間最低5日の有給休暇を取得させなければならないことになりました。

そして、この有給休暇の消化義務に違反し、労働者に有給休暇を取得させなかった場合には、「30万円以下の罰金」という罰則がありますので気を付けていただきたく思います。

さらに、中小企業の方は、⑦中小企業の割増金銀率の引き上げにも注意が必要です。

長時間労働の慢性化を回避するために、「1日8時間、1週40時間」の所定労働時間を超える労働(時間外労働)に対して支払われる「1.25倍」の割増賃金(残業代)に加え、「月60時間」を超える時間外労働に対しては、「1.5倍」の割増率となるとされていましたが、この「月60時間を超える残業の割増率(1.5倍)」は、中小企業に対しては適用が猶予されていました。

しかし、働き方改革で、中小企業への適用猶予措置が、2023年4月1日で終了することが決定し、2023年4月1日以降、法律に定められた「1.5倍」の割増率による残業代を支払わない場合には「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」という罰則が設けられているので注意してください。

このように、「働き方改革」では、労働者の過重労働や健康被害を防止するための規制も多くあり、違反した場合には、人の健康・生命にかかわる重大なことであるとして、罰則を課せられることもありえる重大な変化が起こります。

他にもどのような変化があるのか、企業としてどう対応していくべきなのかを、労務管理に精通した弁護士にいち早く相談すべきであるといえます。

3 企業のさらなる発展へ

上記したとおり、「働き方改革」というものは、長時間労働の見直しや多様な働き方の実現を目指して策定されたものですが、企業においては、労働の中核をなす人口が減少する中、成長・発展を続けていくために、限られた労働力の中で、これまで以上に生産性を高めるための工夫が必要になってきます。

そこで、女性や高齢者の活躍、AI(人工知能)の有効利用など様々な取り組みが必要になってくるでしょう。例えば、女性や高齢者に活躍してもらうためには、時短勤務や育児休暇、再雇用の整備など女性や高齢者にとって働きやすい労働環境を整えることが必要になります。

そのために、企業においては、法令等にのっとった上で、企業の発展も見据えた、適切な労働環境の構築、システム、労務管理体制を構築していかなければなりません。

そもそも働き方改革を踏まえ、労働環境を変えていかなければならないと思いつつも、具体的に何をすればよいのかわからないという方や、どこをどのように変えていけばよいのか、従業員にどのように共有していけばよいのか、というお悩みをお持ちの経営者の方、担当者の方も多いと思います。

その際には、労務管理に精通した弁護士に一度ご相談されることをおすすめします。

4 労務に精通した当支部の弁護士へいち早く相談を!

今まで見てきたとおり、「働き方改革」にともない、罰則付きで規制が設けられているものもある中で、それに対応することは当然として、経営者や担当者の方としては、今後の企業の在り方等についても考えることを求められているといえます。 これらの問題について、経営者の方・担当者の方だけで対応するのではなく、労務に精通した当支部の弁護士へすぐにご相談ください。

当法人では、働き方改革に関するセミナー等も多く行ってきた実績もありますので、きっと頼りにしていただけるものと思います。

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