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交通事故

休業損害証明書の書き方|記入例や会社が書いてくれない場合の対処法

神戸法律事務所 所長 弁護士 小林 優介

監修弁護士 小林 優介弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長 弁護士

交通事故に遭われた被害者の方の中には、怪我によって事故前のように働けない、体調不良や入院・通院のために仕事を休まないといけないと悩まれている方も多いかと思います。

こうした場合には、加害者側に対して、「休業損害」として金銭賠償を求めていくことになりますが、休業損害証明書とは何か、どうやって作成すればよいのかなど一見して分かりにくい部分も多いかと思います。

そこで、交通事故案件を豊富に扱い精通した弁護士法人ALGの神戸法律事務所の弁護士が詳しく解説していきたいと思いますので、ぜひご参照ください。

休業損害証明書とは

まず、「休業損害証明書」とは何かを見ていきましょう。
交通事故の怪我で仕事を休んだ場合に、「休業損害証明書」を作成して「休業損害」を請求することになるケースがあります。

具体的には、「休業損害証明書」とは、①交通事故の怪我によって仕事を休んだ、遅刻早退をした事実と②それによる収入の減少(=損害)を証明するための書類です。
特に、会社員やパート・アルバイトなどの勤務先から収入を得ている給与所得者が、「休業損害」を請求するために必要な書類となります。

そもそも「休業損害」とは何か、については以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご参照ください。

交通事故の休業損害とは

休業損害証明書はどこでもらえばいい?

「休業損害証明書」は、どのように取得すれば良いのかも見ていきましょう。
通常は、加害者側保険会社から、被害者の方に対して、白紙の「休業損害証明書」が送られてきます。

書類を受け取ったら、勤務先に提出して作成を依頼しましょう。
なお、「休業損害証明書」1枚に記載できる休業状況は3ヶ月分です。

そのため、休業期間が3ヶ月以上の場合や、休業損害を毎月請求する場合など、2枚目・3枚目と追加の書類が必要なときは、送られてきた書類をコピーして利用することができます。

また、弁護士に依頼している場合には、弁護士が白紙の「休業損害証明書」を保有したり、データを持っているでしょうから、書類が追加で必要な場合のほか、書類を紛失してしまった場合にも、印刷して利用することが可能です。

休業損害証明書は自分で記入してもいい?

「休業損害証明書」については被害者の方自身で記入等するものではありません。

「休業損害証明書」は勤務先に作成してもらいましょう。勤務先という第三者に休業の事実などを証明してもらう書面であるためです。
人事部・総務部の担当者に依頼することが多いですが、小規模な会社で担当者が決まっていない場合は社長に書いてもらうこともあります。

仮に、被害者の方自身で記入等してしまっても、何ら証明になっておらず、被害の状況の信用性が失われ、示談交渉において不利に働くおそれがありますので、しないようにしましょう。

休業損害証明書の記入例

それでは、「休業損害証明書」の記入例を、以下のとおり、具体的に見ていきましょう。

休業損害証明書

勤務先が「休業損害証明書」の書き方を知らない場合や、勤務先が作成した「休業損害証明書」に不備がないか確認する場合にご参照ください。

1.事故に遭った人の氏名等

「休業損害証明書」には、まず、事故の被害に遭われた人の氏名等を記入する欄があります。

氏名、生年月日、採用日なども忘れずに記入しましょう。

2.休業期間

「休業損害証明書」には、休業期間を記入する欄があります。

休業期間として、遅刻や早退を含めて、交通事故による怪我で休んだ最初の日と最後の日を書きます。
この休業期間が誤っていると、休業損害の金額が減ってしまうおそれがあるので注意しましょう。

なお、毎月あるいは3ヶ月ごとに休業損害を請求する場合には、毎月あるいは3ヶ月ごとに「休業損害証明書」を作成することになるので、対象期間の最初の日と最後の日を書くようにしましょう。

3.3か月間の勤怠状況

「休業損害証明書」には、3か月間の勤怠状況を記入する欄があります。
 上記の休業期間中に、欠勤・有給使用・遅刻早退した日数(回数)を書きます。
書類を2枚以降に分けた場合は、それぞれの期間ごとの日数(回数)を書きます。

具体的には、以下のとおりです。

  1. 欠勤、半日欠勤
    ⇒ 1日全部あるいは半日(午前だけ、午後だけ)休んだ日数
  2. 年次有給休暇、半日有給休暇
    ⇒ 1日全部あるいは半日(午前だけ、午後だけ)、有給休暇を取得・消化した日数
  3. 時間有給休暇、遅刻、早退
    ⇒ 始業時間が遅れた=遅刻の回数
    定時より早く退勤した=早退の回数
    遅刻・早退した時間分だけ有給休暇を取得・消化した回数の合計

なお、同日に遅刻と早退をした場合は2回とカウントします。

4.休んだ期間の給与

「休業損害証明書」には、休んだ期間の給与を記入する欄があります。

特に、休んだ期間の給与の減少についてを記入します。

例えば、有給休暇を除いた休業について給与が支給されたかどうかを書くので、基本的には「全額支給しなかった」ことになるはずですが、遅刻や早退などで給与が一部支給あるいは減給した場合はその内訳と計算根拠を書きます。

上記した休業期間の中で、実際どれだけの損害が生じているかを把握するための項目なので、実態に則して正確に書かなければなりません。
そのため、書類を2枚以降に分けた場合は、それぞれの期間ごとの給与の減少を書いてもらうようにしましょう。

5.事故前3ヶ月の支給された給与額

「休業損害証明書」には、事故前の直近3ヶ月間に支給された給与額を記入する欄があります。

事故の休業で収入が減る前の直近3ヶ月間に、どのくらい収入を得ていたのかを証明するため(つまり、事故に遭ってなければ収入がこれくらいであったと示す資料となります)、賞与を除いた給与や、所定勤務時間などの給与に関する基礎情報を正確に書いていただく必要があります。

なお、本給と付加給についても間違いなく書いていただく必要がありますので、後述の解説もご確認ください。

6.社会保険や労災保険からの給付の有無

「休業損害証明書」には、社会保険や労災保険から給付を受けているかどうかを書く欄があります。

「休業損害」については加害者側の保険会社に請求することになりますが、社会保険の傷病手当金や労災保険の休業補償給付などをすでに受領している場合、重複した部分については、「休業損害」を受け取ることはできません。

そのため、その点を明らかにすべく該当する保険名と連絡先を書く必要があります。

7.作成日、勤務先情報、社印等

「休業損害証明書」には、作成日、勤務先情報、社印等を記入押印する欄があります。

勤務先によって休業の事実等を証明してもらう書面ですので、作成日、作成者となる勤務先の情報の記載、社印は必須です。

社印が押されていないと保険会社に被害者ご本人の自作と疑われるおそれもありますので、注意するようにしましょう。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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休業損害証明書を作成するときの注意点

上記では、「休業損害証明書」の記入例等について説明しましたが、特に注意すべき点について以下解説します。

記載漏れや間違いがないか確認する

まず、記載漏れや記載間違いがないかを確認するようにしましょう。

「休業損害証明書」に記載内容の誤りや記入漏れがあると、適正な「休業損害」が受け取れなくなってしまうので、勤務先に作成してもらった後、必ずご自身で内容を確認しましょう。

書き慣れているような書類ではないと思うので、勤務先が書き方を知らない場合も多いので、ご自身も書き方を知っておくことが大切です。

そして、もし内容に修正すべき点があったら、担当者に訂正してもらいましょう。訂正の際には、訂正箇所を二重線で抹消し、その上に作成担当者の訂正印を押してもらうことも重要です。

本給と付加給について

上記のとおり、事故前の直近3カ月の給与をもとに、「休業損害」を算定するのですが、本給と付加給を両方しっかり書くようにしてください。

本給の欄には基本給を、付加給の欄には基本給以外(残業代や通勤手当などの基本給に追加して支給を受けているもの)を書きます。

「休業損害」における被害者の基礎収入の額は、事故前の本給と付加給の合計額から判断されるので誤りのないよう注意しましょう。

「休業損害」の請求に当たって、残業代が含まれるかなどについては、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご参照ください。

残業代は休業損害に含まれるのか

休業損害証明書を書いてもらえないときの対処法

勤務先が「休業損害証明書」を書いてくれない場合、担当者が書き方を知らないという可能性があります。

そういった理由で書いてくれないのであれば、ウェブサイトなどで公開されているサンプルや、本ページで紹介した書き方を伝えることで、対応してもらえる可能性があります。

それでも勤務先が書いてくれない場合は、勤務先にどのように書いてもらうべきか、弁護士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。

休業損害証明書を正しく書いてもらうためにも弁護士に依頼してみませんか?

交通事故に遭われた方の中には、怪我によって事故前のように働けない、体調不良や入院・通院のために仕事を休まないといけないと悩まれている方も多いかと思います。

故による治療もしていかなければならない中で、相手方保険会社に「休業損害」を請求したり、勤務先に「休業損害証明書」を依頼したりすることは被害者の方にとってとても負担になることがあります。

また、休業損害を支払ってくれたとして、その額で満足してよいのか、なども検討して、事故による賠償は十分に受け取る必要があります。

弁護士法人ALGの神戸法律事務所の弁護士は、これまで数多くの交通事故案件を取り扱い、解決してきた実績を積んでいます。

こういった被害者の方のお悩みや負担などについては、交通事故に精通した弁護士に相談すべきですので、お困りの方は、弁護士法人ALGの神戸法律事務所の弁護士に一度ご相談ください。

神戸法律事務所 所長 弁護士 小林 優介
監修:弁護士 小林 優介弁護士法人ALG&Associates 神戸法律事務所 所長
保有資格弁護士(兵庫県弁護士会所属・登録番号:57264)
兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。