慰謝料

代表執行役員 弁護士 金﨑 浩之

監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士

  • 慰謝料

医療過誤の被害に遭われた患者やその家族は、極めて苛烈な精神的苦痛を受けます。

精神的な損害は、財産的な損害と異なり、金銭的な評価や数値化し難いものであり、どれくらいの金額になるのか、イメージがつかない方も少なくないかと思います。

本稿では、精神的な損害(慰謝料)について、その算定方法や基準の額等を説明します。

慰謝料の種類

慰謝料には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類の慰謝料があります。

(1)入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、病院へ入院や通院をしたことにより被った精神的な損害であり、受傷の程度や入通院期間(期間の長さ)により算出します。

例えば、本来退院できる日よりも3カ月入院が長引いた場合、大阪高等裁判所の管轄圏内の算定基準に従うと約175万円の入院慰謝料となります。

(2)後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残存したことに対する精神的な損害であり、後遺障害の等級を基礎に算出します。

後遺障害の等級は、労災基準の等級と同じものを使用し、身体障害者の等級とは必ずしも一致するものではありません。

大阪高等裁判所の管轄圏内での基準は以下のとおりです。

第1級第2級第3級第4級第5級第6級第7級
2800万円2400万円2000万円1700万円1440万円1220万円1030万円
第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
830万円670万円530万円400万円280万円180万円110万円
第1級第2級第3級
2800万円2400万円2000万円
第4級第5級第6級
1700万円1440万円1220万円
第7級第8級第9級
1030万円830万円670万円
第10級第11級第12級
530万円400万円280万円
第13級第14級
180万円110万円

なお、重度の後遺症が残存した場合には、被害者本人のみならず、近親者にも慰謝料が認められる可能性があります。

(3)死亡慰謝料

死亡慰謝料は、被害者が死亡したことに対する精神的な損害であり、扶養者の有無、配偶者の有無、年齢等により算出します。

一応の目安は、以下のとおりとなります。

一家の支柱2800万円
母親・配偶者2500万円
高齢者2000万円
その他2000~2500万円

なお、上記の金額は、近親者の慰謝料額を含めたものです。

最後に

精神的苦痛は、金銭的な評価や数値化に馴染まないものではありますが、裁判上は一定の基準に従って、算出されています。

しかし、上記に記載した金額はあくまでも基準であり、個別具体的な事情により、増減します。

数値化できないものであるからこそ、いかに当該被害者や家族らが重大な精神的苦痛を受けたかを裁判所へ訴え、金銭的に換価することができるかということが重要になってきます。

この記事の執筆弁護士

弁護士 宮本 龍一
弁護士法人ALG&Associates 弁護士 宮本 龍一
大阪弁護士会所属
弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 医学博士 弁護士 金﨑 浩之
監修:医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員
保有資格医学博士・弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:29382)
東京弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

医療過誤のご相談・お問い合わせ

初回法律相談無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。

0120-979-039 24時間予約受付・年中無休・通話無料

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

メールでお問い合わせ

24時間予約受付・年中無休・通話無料